煙か土か食い物

2005年1月13日 読書
舞城 王太郎

腕利きの救命外科医・奈津川四郎が故郷・福井の地に降り立った瞬間、血と暴力の神話が渦巻く凄絶な血族物語が幕を開ける。前人未到のミステリーノワールを圧倒的文圧で描ききった新世紀初のメフィスト賞/第19回受賞作。

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舞城王太郎?誰それ?え?なになにミステリーを書いている売れっ子小説家でこの本も各誌から絶賛されている?しらねーよそんなこと。だいたい俺小説なんて興味ないし。んあ?だまされたと思って読んでみろ?やだよ。だから興味ないんだっつーの。だいたいなんだこの軽そうな表紙は。こういう表紙の本はたいてい中身も軽くて脳みそツルッツルのクソバカが書いたものって決まってるんだ。どうせならもっとましなヤツにしろ。もう帰れ。出直して来い。そして二度と戻ってくるな。このマザファッカー!

・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・とまぁ、始終こういう感じの小説でした。

かなり異端だと思う。
改行が極端に少ないし、
登場人物の思考がそのままずらずらと垂れ流し状態になっている文体といい
決してただものじゃあ、ありません。

新鮮でした。
だけど、それだけで終わっていました。

なぜかというと、主人公に感情移入がほとんどできなかったからです。
はまれば面白いのかもしれませんけど私にはイマイチわかりませんでした。
なんか頭の中で考えられたストーリーって感じで。
生々しさっていうんですか?
そういったある種のリアリティーが欠けていたと思います。

田中「とてもじゃないがオススメできんな」

誰だお前。

恋愛の格差

2005年1月1日 読書
村上 龍

“格差を伴う多様化”が進む現在の日本で、恋愛はどう変化しているのか?いい男・女とはどんな人間なのか?不幸な恋愛を回避するためには知らなければならない事実がある。恋愛エッセイ。

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みなさん、あけましておめでとう。
今年もよろしく。

・・・・・・・・。
・・・・・・・・。
・・・・・・・・・まぁアレだよね。
なんていうか、こう“よろしく”って言われても
何をよろしくするのかよく分からないよね。
直接本人を知ることのできないこういうネットの中の環境で
いきなり“よろしく”って言われてもなぁ。
「いや、別に・・・・」て感じだよな。

そういうわけで自分なりの“よろしく”を追求してみたら
鋭い視点で社会を風刺したり、日常生活を面白おかしく綴ったり、
読むものに感動を与える素晴らしい詩を公開したり
とかそんなこと全然できるはずもなく、
やっぱり、エンダにはこれしかありませんでした。
そう、ブックレビューです。
というわけで今年もこれを通して“よろしく”やっていくつもりです。
よろしく!

それで肝心の内容なんだけど、
恋愛エッセイというジャンル分けがされているにもかかわらず、
直接恋愛に関係のない経済や文学の話が盛りだくさんで
村上龍の持ち味がちゃんと出ているいい本でした。
好きな人にはたまらないと思います。

特に印象に残ったのが
「他人が結婚するのをみて素直に『おめでとう』と思えなくなってきた。個人の幸福が、即結婚という形に結びついていた時代はとっくの昔に終わっている。しかし誕生日に『おめでとう』と言うのはいい。それはその人が1年間をサバイバルしてきた証拠だからだ。」
という内容の文章。

まさにそうだよなって思った。

というわけで、
この1年間を生き延びてこのレビューを見ている人たちへ一言。
おめでとう。

実家

2004年12月31日 私生活
普段は学校の近くで下宿生活を営んでいるエンダですが、
3日前ぐらいから実家に帰ってきました。
久しぶりの実家ライフ。
はっきりいって滅茶苦茶だるい。
普段はぜんぜん忙しくて早く休みをくれよ!
とばかり思っていたけど、
こうもやるべきことがないって言うのは少し考え物かも。

博士の愛した数式

2004年12月27日 読書
小川 洋子

1990年の芥川賞受賞以来、1作ごとに確実に、その独自の世界観を築き上げてきた小川洋子。事故で記憶力を失った老数学者と、彼の世話をすることとなった母子とのふれあいを描いた本書は、そのひとつの到達点ともいえる作品である。

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よかった。

「感動の超大作!」とか「泣けます!」とかのたまっている作品の
95%までは、単なる表面や雰囲気だけをそれっぽく取り繕った
中身スカスカ作者の才能もスカスカの駄作でしかないと思う。
しかし、この本は残りの5%に入る傑作だった。

客観的に見れば全然ハッピーエンドじゃないのに
これ以上ないというほどハッピーな気分になれるラストだった。
おすすめ。

年末だな・・・

2004年12月26日 私生活
もうすぐ1年が終わる。
こうして僕はまた一つ年をとっていく。
そしてそれは自分が一歩一歩確実に死へと近づいているという証拠だ。
不意に自分が死ぬという事実を思い出した。
感じることも考えることも何もかもができなくなり
永遠にこの世から消えさる。
そんなのありえねぇよって言いたくなるような不条理さ。
だけど事実。
人は必ず死ぬ。
そして僕もいつかは死ぬ。
割り切ったつもりだったけど、やはりそれは怖い。
死を意識したときに湧き出る独特の寒気が体の中に侵入してくる。
背筋が凍るという表現があるが、まさにそれと似た感じ。
自分の存在を否定される恐怖。
子どものときはいつもこの恐怖に耐え切れず泣いていたけど
今はその涙も枯れ、
ただただあきらめにも似た無力感に包まれるだけ。
「聖を絶ち智を棄てよ」

――――――老子

文学部唯野教授

2004年12月23日 読書
筒井 康隆

我らが若き主人公・唯野仁。彼は早治大学英米文学科の名物教授にして、実は隠れて小説を発表している新進作家、何やら不穏な幕開きである。「大学」と「文学」という二つの制度=権力に挑んだ衝撃の長篇小説。

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大学教授である主人公が「文芸批評」の講義をするという
きわめて難解なパートと
その主人公が大学という特殊な世界で
筒井史上最高ともいえる爆笑のドタバタ喜劇を演じるパートの
2部構成になっています。

文芸批評の方は面白いっちゃあ面白いんだけど
あんまり一般受けはしないだろうなぁ、という内容でした。
もともとがすごい難しい話だから、
かいつまんで分かりやすく言ってくれてるのは分かるんだけど、
それでもやっぱ難しすぎるよって感じ。

文芸批評と哲学は切っても切れない関係らしく
記号論とか構造主義とかその辺がいっぱい出てきます。
これらの難しい概念についてもちゃんと分かりやすい解説をしてくれて
(というか、この概念が分からないとその理論を用いた文芸批評も何なのかが分からない)
いい感じでした。

そして特筆すべきはなんと言ってもドタバタの方。
これがもうホントにレベルの高い“笑い”だった。
その“笑い”たるや、このブックレビューで紹介した他の本たちを
6馬身差ぐらいぶっちぎって勝っています。

おすすめ。
村上 春樹

高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。

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「本ってさ。元の文章から自分なりの解釈を導き出すものじゃない?」

そう言った私の友人は村上春樹が好きだと言った。

「閉じられた世界っていうの? なんかそういうの自分に合うんだよな」

そう言った別の友人はこの本を絶賛した。

「意味不明な小説はあまり好きじゃない。はっきりしたものがほしい」

そう言った私はこの本を読むのが苦痛だった。

軌道

2004年12月17日 私生活
最近、毎日毎日、自分を軌道に乗せようとがんばっている。
やらなければいけないこと、
やらなくてもいいんだけどやった方がいいこと、
これは絶対やる必要ないよな、うん、みたいなこと、
そういうの全てをすでにわかってはいるんだ。
あとは実行すればいい。
それだけなんだ。
たったそれだけなんだ。
だけど、そんな軌道に乗るまでの最後の一押しが
なかなか大変だったりするんだ。

たからもの

2004年12月14日 音楽
矢野真紀

1.名前
2.魔法
3.アッシュバーン
4.太陽
5.君の為に出来る事(Live Ver.)
6.大きな翼(Live Ver.)
7.お天気(Live Ver.)

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周りに矢野真紀を知っている人がほとんどいないんで、
「これイイよ! ホントいいから!」
と熱心に布教活動にいそしんでいるのですが、
反応がけっこうまちまちです。

「うーん。普通じゃない?」

「あ、なかなか良い」

「これ最高」

「んあ? ・・・ん・・ぅんあぁぁ・・!!」

でも大丈夫です。(最後のはちょっと大丈夫じゃないけど)
矢野真紀はホントにホントに素晴らしいです。
特に「アッシュバーン」と「大きな翼」は名曲っていってもいいぐらい
のできばえです。(ほかの曲は微妙なのが多いけど)

おすすめです。
愚痴です。

ついさっき、ホントありえないほどムカつく野郎に出会った。
こいつはまともな社会生活ができないんじゃないか?
と疑いたくなるような、密度の濃ーい敵意を発散し、
些細なことにいちいちイチャモンつけてくるその態度は
893以外の何者でもないな、
と素直に思えるほどで、
その上、自分は実力があるから何を言っても許されると本気で信じてる
近年稀に見る調子こきで、
あーホント腹立つっ!!!

怒鳴り散らして再起不能になるほど罵倒してやろうかとも思ったが
付き合いなのでそれもできないし・・・・

くっっ・・・・!
とりあえず、正攻法で、ぐぅも音も出ないくらい叩きのめしてやる。
いや、マジで。

魍魎の匣

2004年12月10日 読書
京極 夏彦

箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物――箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ、妖怪シリーズ第2弾。

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序盤は、延々と続く独特の堅苦しい文章に若干嫌気がさしてしまいましたが
中盤からの盛り上がりたるやそのハンデを差し引いてもなお余りある
素晴らしいものに仕上がっていました。
すごい。ホントすげぇよ…!

1000ページ以上の大長編ですが、
序盤を除いて全くその長さを感じさせません。
特に主人公の友人である“京極堂のトーク”がずば抜けて面白かった。
毎度のことながらこの男の話には感心させられっぱなしです。
ていうか、マジ頭良すぎです。
叡智の塊のようなそのトークこそ、
このシリーズの最大の魅力といっても過言ではないでしょう。

逆に言うと、こういう理屈っぽい話が嫌いな人にとってみたら
退屈でつまらない話を延々と聞かされるという
永遠にもにた時間を過ごすことになります。
その苦痛たるや拷問以外の何物でもなく、
怒りに我を忘れた読者によって宙に放り投げられた“ソレ”は
美しい放物線を描きながら
ダストシュートにホールインワンすることでしょう。

とにかく、“はまれば”最高に面白いことは確かなんですけどね。
オススメ。

テスト終了

2004年12月9日 私生活
テストが終わった。
やらなければいけない試験範囲の広さに愕然とし
途中で「もういいだろ。うん」と軽くあきらめてしまったテストだが
最終的には何とかそこそこの点数をとれた気がする。
あれだけヤヴァいヤヴァい騒いでいたテストも

前日の追い込みで何とかなりそうだ。

この勉強量の10分の1でいいから、普段の勉強をちゃんとやりたいよ…
「理想を語るにはそれに見合う力が必要だ。お前にはそれがない」

――――――漫画「封神演義」
昔ある新聞にある書籍の広告が載っていた。
その本は一人の男(有名人)の人生訓めいた格言を紹介する内容だった。
以下にその概略を示す。

“テレビを信じるな!
 映画も信じるな! 
 本も信じるな!
 だけど、音楽だけは信じろ!”

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

じゃあ、まず、お前がそういう音楽を作れよ。

本なんて書いてるんじゃねえ。

リンクします〜

2004年12月5日 雑記
柳さん
12月5日の日記は面白かったです。
リンクさせてもらいますー

寝すぎた

2004年12月5日 私生活
観測史上最悪をマークした。

睡眠時間とり過ぎたよ…

なんか逆に気分悪くなったし…

まともな生活がしたい。

ヤヴァい

2004年12月4日 私生活
もうほんとヤヴァい

勉強してないっっ!!!

テスト近し

2004年12月1日 私生活
テストが近いのでそろそろ勉強をちゃんとやらないとな。

うん。いま気づいたけど、そういう風に

“テスト近い = 勉強しよう”

みたいな方程式で物事を考えた方が楽だね。

“テスト近い = いや、まてよ。そもそも受験勉強する意味ってあるのか?”

なんて考えるのはつらいし、単なる現実逃避だしね。

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