永遠の旅行者

2006年4月29日 読書
橘 玲

元弁護士のもとに、突然舞い込んだ依頼は「20億円の資産を息子にではなく孫娘に相続させたい。1円の相続税も払わずに」というものだった!実現可能なスキームを満載、驚愕の金融情報小説!

-------------------



最高です


他の人にとってこの小説の価値がどれほどかはわからないけど、
とにかく、自分のなかではこの小説は最高だった。
こんなにも共感できる作品に出会う機会はそうないと思う。

この本の根底にある思想は
「なにをやろうが、それはあなたの勝手だ」
という単純なものです。
この、個人の自由を最大限に尊重する思想はリバタリアニズムといって、
くわしいことは、この著者の『不道徳教育』を読んでもらえばわかるんですが、
本書はその思想という「理想」が、経済や法律といった「現実」と絶妙にからみあうという、
非常に考えさせられる内容でした。
最近読んだ本の中ではマジで断トツで面白かった。

ただ、専門的な話も随所に織りこまれてるし、
リバタリアニズムという思想そのものにドン引きしてしまう人もいると思うので、
たぶん万人受けはしないでしょう。

最後に、この本の紹介文をちょっと引用します。
(出典:海外投資を楽しむ会 http://www.alt-invest.com/pl/book/pt/index.htm

 
大いなる魂たちのために、大地はいまもなお開かれている。一人生きる者たちや、孤独な二人のために、誰も知らない土地がいまもなお残されている。そこには静謐な海のかおりが漂うだろう。

国家が終わるところ――。そこでこそ、かけがえのない者たちの歌が、ただ一回の、ふたたび奏でられることのない旋律(メロディ)がはじまる。

『ツァラトゥストラはかく語りき』フリードリッヒ・ニーチェ


最初これを読んだときは
なんかニーチェがわけわかんないこと言ってるなあ、としか感じませんでしたが
この本や『不道徳教育』を読んで、やっと意味がわかりました。
そして久しぶりに感動しました。
すげー!って感じです、マジで。

この感動をあなたにも是非!
と言いたいところですが
私の感動するポイントは他の人と絶望的なまでにずれているので、
んーどうでしょう、
若干きびしいかもしれませんね。
でも、間違いなくオススメです。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索