半島を出よ

2005年4月17日 読書
村上 龍

北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。
〈財政破綻し、国際的孤立を深める近未来の日本に起こった奇蹟〉

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上巻を読んでいる時、
ひょっとしたらこの作品は村上龍史上最低最悪の駄作なのではないか
と思った。
なぜかというと、圧倒的に希望がなかったから。
どこを探しても救いがない。
状況がよくなる兆しが全く見えない。
本当に最悪なストーリーで読むのがつらかった。

しかし、下巻の中盤あたりから、わずかだけど希望が見えてくる。
なにもかもが最悪なのに、
それでも、かろうじてなんとかなるような気分になってくる。

そして全てが終わったラスト・・・・・。
なんというか、
語彙が貧弱で申し訳ないんだけど、
とにかく、

やばい


最後のセリフが心に焼きついて忘れることができない。
前半の気持ち悪い閉塞感が
本当に最悪な状況なんだけど、どうすることもできないって感じが
ラストで、すべて昇華されている。

泣いた。

やっぱ村上龍はすごい。

オススメ。

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