奪取

2005年3月21日 読書
真保 裕一

一千二百六十万円。友人の雅人がヤクザの街金にはめられて作った借金を返すため、大胆な偽札造りを二人で実行しようとする道郎・22歳。パソコンや機械に詳しい彼ならではのアイデアで、大金入手まであと一歩と迫ったが…。日本推理作家協会賞と山本周五郎賞をW受賞した、涙と笑いの傑作長編サスペンス。

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軽妙な筆致で、どんどん進んでいくストーリーは
最後まで先がどうなるか全く読めず、まさに傑作サスペンスの名に恥じぬもの。
偽札作りの専門知識がたくさん盛り込まれていますが、
普段から慣れ親しんでいる「お札」に関するものなので
自然と興味がわき、読んでいて苦にならない。
まさに非の打ち所のない良作でした。

・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・だけどね。
一言だけ言わしてもらえば、さ。
王道すぎる。
王道すぎるんだよ。

たしかに意外な展開があることは認めます。
だけど、それすらも「二転三転、最後もどんでん返し」
という決まりきった王道パターンの一つにすぎないんです。
なんかこのハリウッド映画っぽさが妙に鼻につくんです。

読書をすればするほど、その本の中にある
手垢で汚れきった王道パターンが見えてきてしまう。
それが様式美といえばそれまでなのかもしれませんが、
私はまだ「意外性」を求めていたい。
少なくともミステリーやサスペンスの類にとっては「意外性」こそ
もっとも重要な要素だと思う。

何が言いたいのかよくわからなくなってきましたが
要するに私には合わなかったということです。

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