魍魎の匣

2004年12月10日 読書
京極 夏彦

箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物――箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ、妖怪シリーズ第2弾。

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序盤は、延々と続く独特の堅苦しい文章に若干嫌気がさしてしまいましたが
中盤からの盛り上がりたるやそのハンデを差し引いてもなお余りある
素晴らしいものに仕上がっていました。
すごい。ホントすげぇよ…!

1000ページ以上の大長編ですが、
序盤を除いて全くその長さを感じさせません。
特に主人公の友人である“京極堂のトーク”がずば抜けて面白かった。
毎度のことながらこの男の話には感心させられっぱなしです。
ていうか、マジ頭良すぎです。
叡智の塊のようなそのトークこそ、
このシリーズの最大の魅力といっても過言ではないでしょう。

逆に言うと、こういう理屈っぽい話が嫌いな人にとってみたら
退屈でつまらない話を延々と聞かされるという
永遠にもにた時間を過ごすことになります。
その苦痛たるや拷問以外の何物でもなく、
怒りに我を忘れた読者によって宙に放り投げられた“ソレ”は
美しい放物線を描きながら
ダストシュートにホールインワンすることでしょう。

とにかく、“はまれば”最高に面白いことは確かなんですけどね。
オススメ。

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