小林 泰三 角川書店 2004/08/31 ¥1,680
吸血鬼最強と怖れられたヨブ。少女・ミカとの約束で自らに血を吸うことを禁じた吸血鬼―。娘と妻の復讐のため、吸血鬼を退治する組織「コンソーシアム」に入った人間・ランドルフ―。吸血鬼を食べ、己の肉体に吸血鬼の臓器を収め、さらに強力なものへ変身する、追跡者・J―

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あの「AΩ」でハードSFの真骨頂を見せてくれた小林泰三の最新作。
今回でもその科学的考証は健在なのか?
かなりの期待を込めてこの本を読み始めました。

・・・・・。
・・・・・。
・・・いや、ちょ、ちょっと待って。
えー、これは、ねぇ、なんていうか、その、
こんなことを言うのはあれなんですが、すっごい期待はずれ。
「AΩ」の印象が強すぎるせいかもしれませんが、
全体的に薄い内容になっています。

小林泰三の売りは何といっても物語の論理的構成にあると思います。
科学的に認められているネタをうまく組み合わせて、
トンデモ的な結論に導くその手法はまさに圧巻。
一方で、人間の描写がだめなんですね〜。
どのキャラも淡々としていて魅力はほとんどありません。

しかしこの「ネフィリム」では、そんな魅力のないキャラのために、
みんなが必死になって動くんですよ。
これには読者は納得しかねます。
展開的にすごい無理があると思います。

科学的考証の方も「AΩ」に比べればずいぶん手抜きだし
とてもじゃないですがオススメできません。

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