玩具修理者

2004年11月5日 読書
小林 泰三 角川書店 1999/04 ¥504

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。現実なのか妄想なのか、生きているのか死んでいるのか―その狭間に奇妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。

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初めて読んだ小林泰三の作品。
ぶっちゃけ表題作の玩具修理者は普通でした。
確かに怖いしグロイしリアリティー溢れる
良作だったのですが、
こういった、ただ怖いだけのホラーはどこにでもあると思います。

しかしこの本に同時収録されている
「酔歩する男」は違いました。
ヤヴァい。
もうホントおかしくなる。
時間をテーマにしたハードSFものだったのですが、
ものすごい論理構成がなされていて
私たちの住んでいる「常識」という世界を
これでもかと言うほど徹底的に破壊する作品でした。
読んだ後には圧倒的な非現実感に襲われます。
そのレベルたるや、眩暈や吐き気がするほどです。
もう半端じゃない。
たぶん人生変わります。
覚悟のない人は絶対に読まないでください。
あと、小さなお子さんとかも厳禁ですね。
精神衛生上、非常によろしくないです。

ただ、面白いことは確かなのです。
読んでいると苦しいし
本当は今すぐにでもこの本を放り投げてしまいたいのに、
面白いからどんどんページをめくってしまう。
このあたり、田口ランディの「コンセント」にも共通する感覚ですね。

いい意味でも悪い意味でもすごい小説です。

オススメはしません。
読まない方が平凡だけど幸福な人生ってやつをおくれる気がする。

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