三浦 建太郎 白泉社 2003/06/27 ¥530
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ファンタジーと言えばあなたはどんな物語を想像しますか?
舞台は中世ヨーロッパ風で
妖精や魔物やパッパラパーがわんさか出てきて
主人公は剣と盾でそんなモンスターたちに対抗、
魔法なんていう飛び道具もあって
非現実的なことが当たり前のように起こる
そんなストーリーを想像することでしょう。
「ベルセルク」もファンタジーのひとつですが、
異端というか異質というか、とにかく他とは違う。
まず、世界観が果てしなくダーク。
多分、英仏百年戦争時の、フランスがモデルだと思うのですが、
戦争の血にまみれた闇の部分がリアルな描写で描かれていています。
それと同時に、魔物との戦闘がとにかくスゴイ。
相手となる魔物が半端じゃなく強い上、こちらは普通の人間という設定なので、
しばしば絶望的な状況に主人公のガッツは追い込まれます。
それでも必死で戦い続け、そして生き残り続ける・・・
そんなガッツの姿は最高にカッコいいです。
ガッツは本当に剣と己の肉体のみで
わけわかんないぐらい強い敵と戦い続けます。
しかし、24巻あたりからは、ついに魔法が物語に登場します。
この魔法がまた曲者でして
非常に設定がイイんですよ。
普通のファンタジーなら、そんなんありかよ?
と、あまりに非現実的なので、白けてしまう、あの魔法ですが、
この「ベルセルク」での魔法の設定は
かなり納得のいくものとなっていています。
また、ダークな世界観ばかりに目がいってしまいがちですが、
笑いの面でもなかなかイイものを持っています。
私個人のセンスから言えば、クリーンヒットの連発でしたよ(笑)
もう、パック(ガッツに付きまとうエルフ)のギャグには
何度、腹抱えて笑わせたれたことか・・・。
恐ろしいぐらいレベルが高い。
そして何と言っても、絵がむちゃくちゃいいんですよね。
細かいところまでよく描いているし、
単純に上手い絵というだけではなく、
迫力や臨場感のあるスゴイ絵だと思います。
最後に、「ベルセルク」はファンタジーという形態をとっていますが、
ヒューマン・ドラマとしても傑作だということを言っておきます。
登場人物それぞれが、自分の生き方を真剣に模索しています。
ある者は復讐を誓い、またある者は救いを求め、
彼ら(彼女ら)は共通して言えることは、
限られた状況の中で、自分にできることをやりながら、
何とか生き延びている、ということです。
私は普段あまり感動することのない人間ですが、
彼ら(彼女ら)の姿には、自然に感動しました。
私がここまでぶっちぎり褒める漫画はそうそうないでしょうね。
曽田正人の「昴」が私的漫画の最高峰なのですが、
本書「ベルセルク」はそれに次ぐ、
天才的なまでに素晴らしい漫画です。
オススメ。
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ファンタジーと言えばあなたはどんな物語を想像しますか?
舞台は中世ヨーロッパ風で
妖精や魔物やパッパラパーがわんさか出てきて
主人公は剣と盾でそんなモンスターたちに対抗、
魔法なんていう飛び道具もあって
非現実的なことが当たり前のように起こる
そんなストーリーを想像することでしょう。
「ベルセルク」もファンタジーのひとつですが、
異端というか異質というか、とにかく他とは違う。
まず、世界観が果てしなくダーク。
多分、英仏百年戦争時の、フランスがモデルだと思うのですが、
戦争の血にまみれた闇の部分がリアルな描写で描かれていています。
それと同時に、魔物との戦闘がとにかくスゴイ。
相手となる魔物が半端じゃなく強い上、こちらは普通の人間という設定なので、
しばしば絶望的な状況に主人公のガッツは追い込まれます。
それでも必死で戦い続け、そして生き残り続ける・・・
そんなガッツの姿は最高にカッコいいです。
ガッツは本当に剣と己の肉体のみで
わけわかんないぐらい強い敵と戦い続けます。
しかし、24巻あたりからは、ついに魔法が物語に登場します。
この魔法がまた曲者でして
非常に設定がイイんですよ。
普通のファンタジーなら、そんなんありかよ?
と、あまりに非現実的なので、白けてしまう、あの魔法ですが、
この「ベルセルク」での魔法の設定は
かなり納得のいくものとなっていています。
また、ダークな世界観ばかりに目がいってしまいがちですが、
笑いの面でもなかなかイイものを持っています。
私個人のセンスから言えば、クリーンヒットの連発でしたよ(笑)
もう、パック(ガッツに付きまとうエルフ)のギャグには
何度、腹抱えて笑わせたれたことか・・・。
恐ろしいぐらいレベルが高い。
そして何と言っても、絵がむちゃくちゃいいんですよね。
細かいところまでよく描いているし、
単純に上手い絵というだけではなく、
迫力や臨場感のあるスゴイ絵だと思います。
最後に、「ベルセルク」はファンタジーという形態をとっていますが、
ヒューマン・ドラマとしても傑作だということを言っておきます。
登場人物それぞれが、自分の生き方を真剣に模索しています。
ある者は復讐を誓い、またある者は救いを求め、
彼ら(彼女ら)は共通して言えることは、
限られた状況の中で、自分にできることをやりながら、
何とか生き延びている、ということです。
私は普段あまり感動することのない人間ですが、
彼ら(彼女ら)の姿には、自然に感動しました。
私がここまでぶっちぎり褒める漫画はそうそうないでしょうね。
曽田正人の「昴」が私的漫画の最高峰なのですが、
本書「ベルセルク」はそれに次ぐ、
天才的なまでに素晴らしい漫画です。
オススメ。
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